屋根と天井のアイダ
リノベーション
小屋裏の世界

古民家の改修の秘かな楽しみの一つに、「小屋裏の世界」を覗くことがある。
どこからその世界へ入れるのか、一見分からない。
けれども、よーく目を凝らして、押入の天井や和室の天井板の継ぎ目の違和感を察知する。
「お、あったあった!」
その秘密の扉をそーっと開けると、
住民(小動物)たちの糞尿や積もりに積もった埃たちが降りかかり
それでもそーっと開けると、小屋裏の世界が待っている。
そこには、家の屋根を支える立派な小屋組が現れる。
時には、ぐにゃーっと曲がった松の木を棟梁の腕で、
見事に組み上げた小屋組に出会うこともある。
一つとして同じ小屋組はない。
家の数だけ小屋裏の世界は広がっている。
建てた時から、時が止まったような世界を見せてくれる。
これにはまったら、小屋裏に上りたくてしょうがなくなる病は治らない。
今回の現場は、佐治倶楽部で改修を進めている古民家「小倉の家」の小屋裏の世界。